1999年9月24日 唐招提寺讃仏観月会
台風一過という状況ではまだないが、なんとか天気は持ちそうだ。ということで、唐招提寺へ向かうことにする。お目当ては讃仏観月会、こんなものこそ、近場に住んででもいない限り気軽に行ける行事ではない。台風の影響がどう出てくるかはいささか気になるが、ともかく行ってしまおう。
黄檗から宇治で快速に乗り次ぎ、奈良着1737。六条山行奈良交通バスに乗り変え。ちょうどいい時間帯に着く便のはずだが、車内にはそれらしきひとはあまりおらず、拍子抜け。行きは唐招提寺の正面に乗りつけるんだっけな。次第に暮色が濃くなり、唐招提寺へ。境内はさすがにもうだいぶ人が入っている。さて、拝観料・・・、あ、今日は無料なの。招待者受付などというものがありますな。どういう人が「招待」されるのだろう。
すでに、金堂内は点灯され、法要が始まっている。10人ほどの僧が並び、読経を行っている。ううむ、律宗らしい袈裟ですな。堂内をじっくり見る前に、境内をしばし散策。御影堂のほうにでも行ってみますか・・・
境内はあちこちにぼんぼりが置かれ、足元灯の役を果たしている。これはいい雰囲気だ。さらに、金堂前の数個のぼんぼりのなかにはアカシアか何かの小枝が入れられており、これが影絵のようになって実に美しい。
さて、金堂拝観。千手さん、こんな表情だったのか。普段の堂外からの明かりで拝むときとはだいぶ違った印象。うーん、これはいいねえ。盧遮那仏さんはさほどのギャップはなかったが、千手さんは本当に印象が変わった。間近く見るのもいいが、やはり、少し離れて三つの扉を視界内に収められるくらいで見るのがいいようだ。周りが暗く、堂内だけが浮かびあがるような感じ。映画でも見ているかのようだ。しかし、フラッシュたくのやめてもらえんかなあ。この距離じゃ、そんなことしたって絶対ろくな写真撮れっこないってのに・・・
境内は、来た頃はちょっと人がいるな、というくらいだったが、時間とともにどんどん増えているようだ。団体客らしい人々もちらほら。空のほうは相変わらず雲が厚く、お月見はむずかしそうだ、と、人々から歓声があがる。ほんのちょっとだが、月が姿を見せてくれたのだ。講堂の石段に腰を降ろして、再び月が現れるのを待つ。だが、どうも湿った風。そのうち、ぽつ、ぽつ、と雨滴が。うーん、この当たりで引きあげますか。
西ノ京駅への途上は、ちょっと傘がいる程度。ところが、駅前で柿の葉寿司を買っていたら、突然降雨強度30mm/h以上と思われるような豪雨。うう、局地豪雨かぁ、短時間予報を見てから出てくるんだった・・・。駅まではほんの数十mながら、ずぶぬれとなった。ホームに上がる頃には上がり、ほんの数分のできことであったようだ。
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